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MZ-80を起動せよ その1 ジャンクなあいつがやってきた

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お久しぶりの更新でございます。今回新しくというか何を血迷ったのか一体型PCを入手しました。それがこちら。 今回の 犠牲者 患者。 MZ-80K2C 状態はいいようで最悪。見たことない状態の症状が出ています。しかしメモリはフル実装、テープレコーダはゴムまできちんと残っているという奇跡の状態。キーの入力もきちんと取得しているようで、つぶれている画面にはかすかに文字が入力されているようなもので確認できました。 この2段組みメモリがいい。 そして問題のこの症状。 twitterにてこの状態であることを伝えると、多くの方からMZ80についての情報をいただくことができましたが、その中で非常に気になるコメントが。 「偏向ヨークが壊れているため、ブラウン管ごと交換が必要である」 それもう魅力半減やん。 衝撃的な一言です。つまり修理不可能ということを告げられショックに打ちのめされていたところに、もう一つ情報が伝えられます。 「ヨークコイルがそんな簡単に壊れるはずがない。壊れているのは垂直偏向回路」 もはや専門用語のお祭りで何が何だかわかりません。詳しく調べてみると、ブラウン管には根元にコイルが巻き付けてあり、このコイルが映像を表示する光のビームを曲げることにより映像を映し出している、ということだそうです。わかりやすいのがオシロスコープ。古いオシロスコープを開けると中にはブラウン管が入っており、そこにコイルが巻いてあります。そこに波形信号を与えることにより信号を目に見えるようにしているのです。昔理科の実験で電子の動きを見る装置に磁石を近づけると中のビームが曲がるというのがありましたが、あの仕組みを使っているようです。 つまるところ、この写真のように横一線になっているのは縦に光の線を揺らす回路が壊れて、ビームが曲がらずこのようになる、ということのようです。 そこで垂直偏向回路がだめ、という指摘をくださった方に回路図をお見せしてどこがだめかと尋ねたところ、問題の部分にあるicとトランジスタの交換の型番などを教えていただきましてさっそく修理に挑戦です。 ■|感電しながら修理に挑戦。まずはコンデンサの交換から こういう古い機械はまずコンデンサはダメになっているものです。今はないコンデンサを専門に扱っていたお店のおっちゃん曰く、

こどもパソコンIchigoJamに挑んでみた(組み立て編)

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工作レベルは子供向けじゃない。 というわけで今回のテーマは巷でじわじわ話題のIchigoJamです。プログラム領域がなんと4kbというファミリーベーシックと同じ容量しかないということで飛びつきました。視点がおかしいとかそこは気にしない。 あと、バージョンアップしたことによりPCG領域が解放されたそうで、これでエッt・・・ゲフンゲフン豊かな表現のゲームが作れるということで今回挑んでみることにしました。 ■|仕様変更多すぎて何が何だかわからない。 これがメインボード・・・ってあれ?何かがおかしいぞ? はい。気がついた方もいらっしゃると思います。そう、メインのCPUが異様に小さいんです。というのも初代のあのごついCPUだとメインメモリが小さく、4kbになった最新版ではこのサイズになるんだとか。納得できない。ビジュアルと容量が一致しないなんて・・・(たかが3KB、されど3KB。) また、さらに重要な点で大幅な変更が加えられていました。 ここには外部出力・入力端子が一通り入っているのだが・・・ お気づきになられましたでしょうか。一度触ったことがある、店頭で見たという方ならあるものがないことに気がつかれたと思います。ではヒントというかほぼ答えを次の写真にポイ。 これなーんだ めっちゃボケてて何が何だか分かりづらいのでもう一枚。 部品入れから引っ張り出してきましたが・・・ そう、PS/2コネクターです。 IchigoJam やその他性能の低いマイクロプロセッサーでは、USBの仕様は実は非常にきついそうで、シンプルな機能を求める装置や個人の自作装置などでは今でもこのPS/2コネクターがよく用いられます。今回もそうなのですが、なんとその差し込み口が USB になっているのです。 頭おかしいんじゃねえのか なので今回わざわざ用意したPS/2キーボードを直接挿すことはできません。どうするのかって?別途USB-PS/2変換コネクタ(しかもPS/2からさせるタイプ)を購入する必要があります。前はこんな必要なかったのですが、何をどう考えてこんな仕様変更したんですかね・・・ちなみに USBキーボードはさせても使えません。 きちんとPS/2出力にも対応しているものを使えば使えるようです。しかしその説

Macintosh Plusを起動せよ その11「Macintosh 128k/512k/Plus用のバックアップバッテリーを自作!」

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生産終了は罪。 というわけで今回のテーマはMacintoshのPRAMバッテリーを交換するにあたり、そこそこ手に入りやすいもので代用しようというものです。秋葉原に何回も探しに行きましたが、その規格の電池は取り扱わなくなったと言われてしまいました。とほほ・・・  Macintoshの後ろにはバッテリーケースがあり、そこに電池を入れると日付を設定しカウントし始めるここができます。また、プログラムを作成する際など乱数を作成するのにこの時計のシステムを使用するため、今取り組んでいるMacintoshでプログラム作成の際に交換の必要性がではじめたこと、ファイルを作成する際に日付の順番がめちゃくちゃになってしまうこの状態をどうにかしようというお話です。 いちようきちんとした代用バッテリーは今でも手に入るのですが、いかんせん非常に高いのです。馬鹿みたいに。 どう見てもぼったくりである。 そこで今回、 こちらのサイト (The Compact Mac World様。最終更新が2005年で止まっているのが残念です・・・)を参考に電池を自作してしまおうというお話。 ■|電池は3Vでもいいのが不思議・・・ 今回の犠牲者 今回使用するものは ・CR2 3V電池(カメラ用) ・直径15mm、長さ22mmのアルミの棒一つ です。アルミの棒はホームセンターで多分売ってます。ついでにカットしてもらいましょう。(ちなみに私はカットしてもらう際におじちゃんが22mmを何を勘違いしたのか2.2inchでカットしてくれました。) そして用意したこいつらを 合体☆ セロテープでも割とくっつく。 なぜプラスの側をアルミの棒につなげているのかというと、金属と金属が電池のフィルムに邪魔されてマイナス側ではくっつかないからです。 そして完成したこれを電池の蓋の記載に合わせてMacintoshに差し込みます。 数十年ぶりに動くバッテリーが差し込まれた。 割とゆるいのでもう1mmほど長くてもいいかも?でも怖いので22mmがオススメです。 早速起動して時計を設定しましょう! 割とすっきりしてる我がデスクトップ。 見事動き、無事に設定したデータが残るようになりました。ただ問題なのが、 2018年の20部

[MSX1で]Panasonic CF2000[ゲームを作ろう]

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MSX。レトロパソコンになじみのある方、多少マニアックなレトロゲーマーの方なら聞いたことがあると思います。ファミコンより少し前ごろから登場し、シリーズ展開した結構出回ったはずなのに中古ショップとかあまり見かけないというマシンです。 そこで今回はこのマシンでプログラミングをしてみようというのが今回の企画。しかも使用するのは上位機種のMSX2やturboではなく、初代MSX1です。 ■今回使用するメカたち 今回使用するのはいわゆる1chipMSXではなく、MSX1実機を用います。これはできるだけ当時の環境で制作してみたかったのとそもそもMSXを思う存分触りたかったというのがあります。 というわけで使う機種はこちら。 状態もいいし箱付きなのに、この安さなのはMSX1ゆえなのか・・・ CF-2000 この機種、割とマイナーなようでかなりネットでも情報の少ない機種になっているようです。ちなみにヤフオクで1000円で落札しましたが、何分ジャンクなので修理から始めます。キーの反応が妙に悪い部分があるのと、もうコンデンサが寿命ですから全とっかえからですね。ひぃい。 ちょっとボロい。 データレコーダー「QR-8030」 まあ驚くほど情報のないデータレコーダことQR-8030。取扱説明書なんて上がっているはずもなく、手探りでなんとか使っていきますがその前にこの子も修理から始めます。先人の方が見事な修理の記事を公開してくださっていますのでそれを参考にしようと思います。 ■まず初めに修理から プログラミングでゲームを作ろうって話なのになんで修理から始まるのかはさておきましてまず保存ができるようにデータレコーダの修理から。こちらのサイトを参考にしまして、中のゴムを交換。プーリーから回転軸へ力を伝達するゴムはドロドロに溶けてました。モーターからプーリーへ伝達するほうは少し伸びてるかな程度でしたが、買ってきておいたので交換します。そしてスイッチを入れますが・・・・ ゴムを交換。とにかく回るかチェック。 まともに動きません。めっちゃゆっくりねっとり回転します。電圧を図ってみましたがモーターには6Vとあるのに対し供給電圧は8V。電圧は十分すぎるほどです。しかし以前私はarduinoにモーターを直結するというあほをやらかしまして、電圧が足りてよ

Macintosh Plusを起動せよ その10 「フロッピードライブコネクタDsub-19Pinを自作する」

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このコーナーもついに2桁に突入しました。最初はろくに起動しなかったこのMacintoshも、いまでは真夏の恐ろしい暑さの中こき使われてる毎日を過ごしています。 さて、今回のテーマである「フロッピードライブコネクタを自作する」とはなんぞやということなのですが、Macintoshのフロッピードライブコネクタを見ていただくとよくあるDsubコネクタのようで少し違うものになっています。 その名も「 Dsub-19 」。別名絶版コネクタ。このDsub19ピンは非常に特殊で、今から10年前以上の秋葉原では取り扱いもあったそうですがT-15ロングドライバーとともに絶版となりまして。クラシックマックを扱う中でも海外勢さえその困難な入手性に金型から作成し中国で再生産をしたという代物です。つまり ほんとに手に入らない 。 とまあ言いますが正直HDDがあればこのコネクタがなくても困りません。しかしいまやシリアルポートもつなげるものができ唯一このフロッピードライブコネクタのみが宙ぶらりんに空いているという状態に。ExternalFloppyとか、MacintoshFloppyEmuという素敵なデバイスをつなげば万事解決なのですが、片方は万は行く代物でかたや海外から英語でやり取りしてお取り寄せする必要のある高額なもの。筆者には非常に手が届かない代物なのです。 そこで、まずこのコネクターだけでも作れないかと考えまして、先ほどの フロッピーエミュレーターのサイト をふらふらしていましたらこのコネクタの正面からの図が乗っておりました。これを使えばもしかしたらコネクタ作れるんじゃないかと考えまして秋葉原に必要になりそうな部品を一つ取り揃えてみました。 ・ Dサブコネクタ圧着用 ピン(太)オス ・ベーク板 ・単芯ケーブル まず、拾ってきたDsub19ピンの画像を本来のサイズにして印刷します。 失敗に備えて一気に印刷。かなり小さい。 そしてそれに合わせてベーク板を切ります。これがコネクタのベースになります。 ベーク板は加工しやすいのでこういうのに結構向いていたり。 きちんとずれないようにセロハンテープなどで固定したら、圧着用ピンの太さと同じサイズの穴をキリで開けていきます。 ずれたらおしまいです。しっかり固定します。 きれいに開けたらピンを

ファミコンの完全自作ROM&カセット作ろう!〜cc65で起動ROMをつくる〜

先日、ファミコンに直差しできるROMカセットを作るというお話をしました。しかし、いくらハードウェアができたとしてもプログラムがないと動かないただの鉄の塊です。 ■cc65は、僕らに新規の6502コンピューターを作らせてくれない  そこでプログラムを作って書き込もうとしましたが、問題はcc65でROMに書き込める普通のプログラムデータを作成することが非常に困難であるという点でした。  つまりどういうことかというと、cc65というコンパイラソフトは「新規の」6502ハードウェア開発向けには作られておらず、コモドール64やファミコンのエミュレーター向けの開発を考えられているのです。それがわかる仕様として、アセンブラで書いたプログラムをcc65で書き出す際に、どのハードウェア向けに書き出すかという旨を指定する必要があるのです。  もし指定しなければ自動的にコモドール64向けに書き出されます。そして、プログラムの内容がそれに沿っていなければエラーとして判断され、かきだされることもありません。 ■使いやすさの視点の違いから生まれた仕様  もうひとつ、cc65が抱える問題として ORG命令 が本来の動きとして働かないという点です。   ORG命令 とは、そのプログラムがメモリのどの位置から開始されるのかをしていする重要な命令です。これによってジャンプ命令やラベルがまともに使用できるし、6502においてはリセット割り込み(ゲームを開始する際に読み込まれるメモリ)の情報を書き込むメモリの位置を指定しなくてはいけないので、非常に重要な命令なのですがなんとcc65ではほぼ封印されています。ジャンプ先としては読み込まれきちんとコンパイルされますが プログラムをコンパイルした際に指定した場所にプログラムが書き込まれていないのです。非常にバカバカしくなります。 ではcc65にはORG命令の代わりに何が使われているのかというとSEGMENT命令が利用されています。プログラムをSEGMENTで切り分け、その段階ではまだどこからそのプログラムを配置するのかを指定しません。指定はコンフィグファイルという別のファイルにて指定します。つまり、 アセンブラファイルだけではプログラムを作成することができない のです。また、コンパイルした際にこのコン

ファミコンの完全自作ROM&カセットを作ろう!!その1~立ちはだかるコンパイラの壁~

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ファミコンのソフトを自作する。まさにファミコン少年なら一度は考えたことのある 暴挙 夢の企画なのですが、古今東西にて公開されている方法といえばそれはもう 「既存のカセットのロム改造」 なわけです。 違うんです。確かにROM焼いて書き込めばできるでしょう。しかしその前に覚えなきゃいけないことがあまりにもガラパゴスすぎます。Mapper1とかいうファミコンのカセットの規格(しかもナムコは例外&プラスチック封印されてたらできない)。おまけに容量が大ききくて改造がしやすいものとなると結構貴重なカセットをぶっ壊すスタイルになります。正直コレクター癖のある私としては「 外道 」に他なりません。やりましたけど。ドラクエ2のカセット犠牲にしました。失敗しましたよチクショーメ!!! なので今回はそんなカセットの端子から基板までALL手作りをしてしまおうというのが規格内容なのです。これならもうカセットを壊す必要はありません。貴重で高いカセットが守られるし場合によっては新しい規格のカセットを作ることもできます。 ⬛︎とりあえずプログラムROMオンリー基板を作ってみる ファミコンのカセットは独特な仕様になっておりまして画像用のROMは別の回路でつながっており、基本的にCPUのROMとは共用しておりません。なので、極端な話普通のパソコンと同じ回路設計であるのならばCPU側のROMだけを組み立ててつないでも問題ないわけです。そしてその回路の一つの部分とか拡張ポートに向かって何らかの信号を送るプログラムを組めば、わざわざキャラクターROMの作成をしなくてもいいわけです。 そこで今回はとりあえずカセットの端子とROMをつなぐ回路を作成しました。 千石電商の地下で入手。前から気になってたけどついに使うときが・・・ 今回使用したこの端子は2.52ピッチのもので、本来のファミコンのカセットよりもピン数が多いです。なので 鉄定規登場。 カッターでごり押しします。ないものは作る。 両側から切り続けて10分後・・・ 無事に切れました。もうなんか紙フェノールの基板とは比べ物にならないくらい堅かったです。なにこれ。 L字型のものを用意すると基板が後でつけやすいです。 それでもってそこに同じピンピッチの二列ピンヘッダーをつなぎます。