MZ80を起動せよ!モニター修理というか交換しました

前回、なんだかもううねうねしちゃって大変なことになってしまったMZ80を入手。

MZ-80を起動せよ その1 ジャンクなあいつがやってきた
症状は最悪の「偏向ヨーク破損」を引いてしまい、残念ながら私の手には負えない代物となりました。
これはブラウン管を交換したあと

■|どんな感じの子なのか、一旦整理してみる。

まず、この子がどのような状態で我が家にきたのか、Twitterにあげた写真とともに振り返ってみます。

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DRAMエリア。しっかり埋まっています。
まず、メモリはどうやら48KBフル実装。大変嬉しいですね。このころのメモリはもう入手が難しくなっています。
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起動直後の様子。
画面が潰れてしまっています。そして、ただ一本の線になっていればそのほうが実は症状としてはどうとでもなっているのが悲しいところ。この波打つ線こそ、ブラウン管の死を表していました。
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とりあえずコンデンサを交換したものの・・・
これくらい古いマシンは、問答無用でコンデンサの交換から始めるのをお勧めします。電子部品の世界では、コンデンサはナマモノと考えましょう(極論。)
しかしながら、コンデンサを交換しても芸術的な波打ちは治りませんでした。
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ブラウン管の偏向ヨーク、つまり電子ビーム直下の波形
そこで、修理マニュアルを参考に、波形が正しく入力されているかを確認します。すると、偏向ヨークというブラウン管の周りに巻きついているコイルの部分で波形がこのように乱れています。本来なら美しいカーブを描くのですが、見ての通りぐちゃぐちゃです。水平と垂直の間では漏電は発生していませんが、垂直のコイルの中で腐食が進んでいるとみて間違いないでしょう。
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ここがその問題の回路の部分。上の部分がブラウン管の偏向ヨークになっており、なんとこの後この抵抗が焦げていることが判明する。
さらにこの後、写真を撮り損ねたのですが昔作った電磁石と偏向ヨークにつなげる回路を繋ぎ直し、波形を観測。本来出るべき綺麗な波形を観測できたため、偏向ヨーク故障がほぼ確定しました。ほんと辛い。
ちなみになのですが、この間にヤギ型トランジスタさんに相談にのっていただきました。本当にありがとうございました・・・
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結局、コンデンサを交換してここまでは治ることができた。
ということで、ビデオ回路の修理でたどり着けたのはここまででした。

■|どうしてそんな状態でという部品取りMZを入手したので・・・

しかしながら何がやばいってこのコンピューターに使用されているモニターは10インチの特注品のようで、ジャンクの白黒テレビからとってこようと思ってもそもそも出回っていないんです。どうすればいいのよっていろいろ悩んでいたところ、ヤフオクに
MZ-2000のブラウン管以外中身ゼロ
中身これだけのものがヤフオクに出品されてました。ガワを生かして何かを作りたいところ。

というおっそろしいものがまあ安くでていました。まるで私の必要としていた部分だけをとってきたかのような代物に唖然しつつ、これと交換することにしました。

一見同じように見えるこれらのブラウン管・・・


早速やってきたのでいざ交換!と中を開けてまたびっくり。
ブラウン管の留め具が違います。首とフライバックトランスをつける位置はほぼほぼ同じなんですけど、ここだけ違うんです。そのため、留め具の部分が一致せずうまく移植できません。この留め具がブラウン管の周りに鉛のいたのようなもので巻き付けられていて、外そうにも外せないんです。

そう、この鉛の帯。絶対に外してはいけないものでした。
これが壊れたMZ80の方に搭載されていたブラウン管。

ブラウン管の淵に注意書きがありまして、なにやら「このブラウン管は補強方式によって製造されています」という注意書きが。補強方式?なんぞそれということでちょっと調べてみたらこんなpdfが。

日立公式サイトか公開している、「日立評論」というものです。
http://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/1968/05/1968_05_08.pdf
この資料曰く、「ブラウン管が巨大化するにつれ、外部からの圧力に耐えられなくて爆縮するから淵を鉛のベルトで補強するんやで」って書いてあるんですよ。

つまり
このブラウン管の周りをぐるっと巻いてるもの

このベルトを外すと爆縮するってことなんです(げえええええ)

そして製造の利便性から、フレーム固定用の金具を一緒に巻き込んで製造してますってことで、この金具が外せないことになりました。
仕方ないので、フロントと後ろのフレームで挟んで無理やりネジで挟み込みます。

割としっかり固定できました。さらに、MZ-2000のモニターってグリーンモニターなんですけど、今回のmz-80k2eと同じ緑色に統一されることになりました。
映像も無事映らせることに成功。いやー、どうなるかと思った。
ただ、ブラウン管とフライバックトランスの相性とかってきっとあると思うんですけど、そこらへん同じメーカーの同じ系列やし大丈夫やろいけーって思考停止させて移植しました。嫌な予感しかしないけど。教えて詳しい人・・・

そうそう、真空管この前ちょっと触ったのでブラウン管の図を見て改めて思ったんですけど、この根っこの部分
移植する前に配線を確認するためにパチリ。

これヒーターなんですね。

そしてフライバックトランスの電極側が陰極側で、電子銃からのビームをモニタにぶつけるために、フロント全体を電極として使用しているってことに今更こう本能的に理解できました。こうやってみると力技というか原始的というか。見てる人に向かって電子銃ぶっ放し続けてるわけですからね。頭おかしいんじゃないのって思います。でもそれが魅力。

あとキーボードの反応がいまいち良くなかったので、根っこのところに接点復活剤を気持ちいいくらいぶちまけました。そしたらまあよく反応すること!快★感。SGってコマンド打ち込むとキーを押すたびにピコピコ音がなります。こういう遊び心大事。今のWindowsとかってこういうことできるのかな。
見事復活したモニタとキーボード。ニコイチ担ってしまったのが非常に悔しい。

こうして基本機能というかキーボードとモニターが治り、モニタプログラムもきちんと動いていることを確認。さーてあとはBASICを読み込むだけだぞと息巻いたその時。
カセットテープ周り。多分ここのコンデンサが死んでる。

読み込まない。読み込まないんです。回転するんだけど。多分コンデンサが死んでる。
モニタコマンド5つ(しかもメモリ書き込み命令なし!)なので、カセット読み込めないと本当に死んでしまう(ROM書き換え)のがMZ-80の設計的弱点。仕方ないのでカセットデッキの修理に挑みます!!!!
次に死ぬ部分はどこかって?多分電源。挙動が怪しい。(いや修理しろよ!)

それではまた次回。結局ニコイチになってしまったのがもう悔しくて仕方ないですね!

次回の記事
Apple1 Computerを現代で作ることはできるのか挑戦してみた その2~それっぽい代用品が見つかった編~

前回の記事:

El Capintanでios13以降などの新しいiphone/iPadを認識しない時の対処法

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